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店長

天寳一を囲む会 桜酒亭の日番外編


4月も蔵元を招く会でした。横浜の外れの、こんな小さなお店に遠くからお越しいただき、本当にありがたいことです。

天寳一との出会いの初めは利き酒セットの一つとして磯野さんが選んでくれたことでしたが、今年2月に蔵元を訪ねる機会をいただき、お酒造りに対する熱意などに感銘を受け、ますます好きになったのでした。

その際「豆松さんに行きたいです!いつにしましょうか?」と即決・・・行動早い!あっという間に4月28日を迎えたのでした。

村上社長

㈱天寳一の村上社長。 5代目になるまでは都内で働いていたことも。「日本酒が大嫌いだった」そうですが、あるお酒との出会いから一変、理想のお酒を造るべく精進する日々を送っています。

「和の食材、食文化を最大限に引き出す名脇役」として究極の食中酒造りを目指す社長。えんじの法被の背中にはその格言がプリントされています。

(なにげにカープ色ですね。)

さて、今回のラインナップです。

天寳一ラインナップ

① 酒器ラベル(山田錦純米酒)

原料米:山田錦 精米歩合:麹60%・掛80% 日本酒度:+3 酸度:1.8 酵母:KA-1 アルコール度:15.5度

  旨みの中にコクを感じるタイプ。冷・常温・ぬる燗と幅広い温度帯で楽しむお酒です。

② 特別純米八反錦

原料米:八反錦 精米歩合:麹55%・掛60% 日本酒度:+2 酸度:1.8 酵母:KA-4 アルコール度:16.5度

  柔らかい味わいと切れ味良いタイプです。

③ 超辛純米千本錦

原料米:千本錦 精米歩合:60% 日本酒度:+8 酸度:1.8 酵母:KA-4 アルコール度:16.5度

  膨らみ味わいの後鋭いキレが特徴です。白身魚との相性は抜群です。

④中汲み山田錦純吟

原料米:山田錦 精米歩合:麹50%・掛55% 日本酒度:+2 酸度:1.8 酵母:KA-4 アルコール度:16.5度

  旨みのエキス分が広がり味わい深いタイプです。

⑤ 赤磐雄町純吟

原料米:赤磐雄町 精米歩合:55% 日本酒度:+3 酸度:2.0 酵母:KA-4 アルコール度:16.5度

  ふくらみと柔らかな味わいが特徴です。

⑥ 辛口純米大吟醸

原料米:造賀山田錦 精米歩合:麹45%・掛50% 日本酒度:+8 酸度:2.0 酵母:KA-4 アルコール度:16.5度

  特別栽培米の特徴でもある、密度の細かい味わいと辛口にキレが特徴です。

料理はこちら。

メニュー

先付五点。最初三点だったのですが、糸魚川からいい山菜が送られてきたので急きょメニューに。

小松菜の粕煮の酒粕は、もちろん天寳一のもの。

お造り

お造り:カツオたたき、ホウボウ、イシダイ

 なんといっても瀬戸内海に面した地方の蔵、新鮮な魚介類が豊富にそろうので、魚介に合うお酒であります。

 特に福山市には鞆の浦があり、鯛が有名。白身魚と合う③の超辛千本のようなお酒があるのがうなづけます。

 お刺身と超辛千本、マッチしたかな?

 焼物は広島と言ったら牡蠣!という安直な地方イメージで決めてしまいましたが、牡蠣は西側の広島市が有名なんですね。一応ホタルイカも兵庫県産なので、同じ瀬戸内海繋がりです。

 竹の子とホタルイカとトマトは相性いいんです。この季節豆松ではよく出てきます。トマトソースの中に筍の姫皮をたっぷり入れてます。

 スズキには木の芽味噌ソースを。旬の香りたっぷりです。

シンガポール料理です!

 シンガポールの方がよく食べるというラクサ、そして中華のメニューにもあるレモンソースのから揚げ(から揚げ、揚げ油の温度高すぎたようです・・・)。

 ココナッツミルクの風味と爽やかな辛みがきいたラクサ。具はいろいろですが厚揚げともやしを入れるのが一般的なよう(麺料理)です。日本酒と合うのか?と思いましたがこれがまたいい感じで・・・!海老出汁がちょうど良かったのかもしれません。

 なぜシンガポールかというと、蔵へ遊びに行った際社長が「シンガポールはまだまだ日本酒が浸透していないので、一番乗りしたいんですよ」とおっしゃっていたのが私のハートを掴んだためです。

 それでシンガポール料理入れましたと言ったら、「そんなこと言ってましたか・・・」と。思わずもらしてしまった一言だったようです。すみません、ネタバレ的な感じだったのかな。

 海外では中国と韓国に出しているようです。今回シンガポール料理にも合うことが分かったので、ぜひ!!ロマンを実現してください。

 出ました季節の味、筍ニシンです!

 ・・・とはいえ、これって全国的なものじゃないんですね。父の出身が新潟の海側なのですが、そこではよく食べていたそうで、横浜に来てからこれを作ったら初めて食べる!と言われたそうです。今ではうちの季節に欠かせない味になってます。

 なんと社長はこういう形でニシンを食べるのが初めてだったようで、「こんなにおいしいニシン料理を食べたことがない!」と感激され、写真撮って奥様に送ってました(笑)。瀬戸内海に面した地方では乾物にしたニシンなんて必要ないのでしょう、どこで売ってるんですか?と言われましたが、こちらではスーパーで普通に売ってますよね。

 筍ニシンは下処理した具材を一度油で炒めます。この油がコクを生み薄い醤油味でもおいしくいただけるんです。これはもう、お酒もそうですがご飯も止まらなくなります。社長にはお土産にお持ち帰りいただきました。

 究極の食中酒も止まらなくなったのか、今回お持ちいただいたお酒がすっからかんになりました!!

 燗酒もお勧めしたかったので、今月の利き酒セットで入荷していたものを持ち出す始末ですよ、すごいです、初めてですね。

 〆の食事は穴子丼、濃い目の醤油タレでこんがり焼いた穴子を炊きたてのご飯に乗せました。ご飯には甘めのタレをかけて。美味しそうだったな・・・

 デザートのトマトゼリーは、旬の春トマトをそのままミキサーにかけ、味を調えて固めたもの。トマト感凝縮でさっぱり爽やかなデザートになりました。添えた湘南ゴールドも良かったですね。

 というわけで、ベストマッチは・・・と言われると困ってしまいますね。

 お酒が一滴も残らず、ちょっと多めかなと思っていた今回の料理が残さず下がってくるという状況から、「和食を引き立てる名脇役」がその実力を如実に表した結果なのではないかと思っています。

 「主張しすぎず、個性的」という表現が似合うと思いますがいかがでしょうか?これからますます伸びていくであろう、若者たちが頑張っている蔵です。今後も注目していきたいと思います。

天寳一

さて、次回5月の桜酒亭の日は「出張みやげスペシャルナイト☆」

磯野カオリが出張先で出会った蔵元より、選りすぐりのお酒を持参してお土産話とともに楽しみます。

お申し込みはお早めに!

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