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  • 店長

10月の桜酒亭の日報告


今月のお酒の会は、神奈川県松田町にある「中沢酒造」の11代目、鍵和田亮さんにお越しいただき、「松みどり」のラインナップを楽しみました。

今回は松みどりで揃えましたが、これ以外にも花酵母を使ったシリーズなど様々な試みをされています。

また今年新発売されたばかりの(そして蔵元では在庫完売!)新しいお酒、「S.tokyo」もありました!!

まずはお酒のラインナップと料理メニューから。

松みどりラインナップ
S.tokyo

①松みどり 純米大吟醸 夏純大

使用米:岡山県産雄町 精米歩合:50% アルコール:14度以上15度未満

②松みどり 純米吟醸S.tokyo

③松みどり 純米酒

使用米:長野県産美山錦 精米歩合:55% アルコール:15度以上16度未満

④松みどり 特別本醸造

⑤松みどり ひやおろし

⑥松みどり 秋上がり

(ごめんなさい、詳しいスペックは後ほど更新します)

中澤酒造の会メニュー

今回も(今回こそ)料理の写真が撮れなかったので、お客様撮影のものを拝借して紹介します。

11代目

こちら若き11代目蔵元、鍵和田亮さんです。

最初お会いした時は大学出たてのピッチピチした(今もですが)男の子!という印象でしたが、様々な経験を積まれた男らしさというか、精悍で頼もしい空気をまとわれていて、お店に入って来られた時「え?ほんとに亮ちゃん?」と久しぶりに会った親戚のおばちゃん状態になりました。・・・何言ってるんですかね。

実は二年ちょっと前、古民家で営業していた頃にも来ていただいているんです。お店の雰囲気もがらりと変わりましたが、亮さんも男らしい変化を遂げられていてこれはお酒も期待できるな・・・と楽しみになりました。

若手蔵元28社が参加する「若手の夜明け2018」のとりまとめ役としても活躍する鍵和田さんは、東京農業大学醸造学科を卒業し、一ノ蔵で修行をして現在に至っています。農大在学中は酵母の研究をしており、花酵母シリーズの酵母は全て鍵和田さんが自ら分離培養したものです。

さてさて会の模様に移りましょう。今回満席14名ご参加、その中で松みどり初体験の方は半数近くおりました。うーむ。これは神奈川酒全般に言えますが、県東の酒屋での扱いが少ないんですよね・・・もったいない話だと思うんですけどねえ。

初めてさんが多い中、まずは夏純大で乾杯です!この時期の夏純大・・・「おいしい!」の声連発。酒屋さんにお願いして取っておいてもらったもので、11代目も初めて飲む味でした。

夏を越え、すっきりまろやかがパワーアップしていて乾杯にもってこいでした。

今回料理は「ワインにも合うおつまみ」が裏テーマでして、松みどりさんのお酒もこういう料理とはどうなのかな、という実験的な意味もありました。

前菜です。

前菜

(左から)豆腐とゴーダチーズの粕漬け、カジキマグロと甘エビの冷燻製、蛸の柔らか煮梅干しソース

蛸は柔らか煮というよりはさっと煮ですね。蜂蜜で味付けした梅干しオリーブ油が好評でした。

豆腐の粕漬けはもっと漬けておくと面白くなりそう。

カジキの冷燻製は生ハムのようで美味しかったです。

蛸と夏純大の相性がよかったようです。

お刺身はマグロ、シマアジ、アオハタでした。

料理

次は豚肉の利休揚げと牡蠣のフラン。

豚肩ロースに胡麻をたっぷりまぶして揚げた利休揚げは香ばしさが命!ケチャップソースをアクセントにしてあります。

付け合わせはプラムと柿とナッツの炒め。プラムがコクのある黒糖のようで風味もよく、炒めたフルーツという斬新さが受けました。付け合わせの甘み、胡麻の香ばしさとケチャップソースの酸味がマッチ。これには特別本醸造や秋上がりなどが合ったようです。

牡蠣のフランロックフォールソースは、今回一番人気でした。

フランとは洋風茶わん蒸しのことですが、完全な洋風ではなく醤油をつかったり、アンチョビやニンニクを入れないで風味を抑え、日本酒にも合う工夫をしました。これとS.tokyoが今回のベストマッチだったようです。

S.tokyoが白ワインのような風味を持つお酒なので、牡蠣の風味が引き立ち組み合わせとして良かったのではないかということでした。

次の里芋の揚げだし蟹餡掛けは完全和食です(笑)。

松みどりは和の出汁と相性が良く、地元に近い小田原では名物「小田原おでん」と「松みどり」が定番となっているほどです。

これは純米酒が合いました。純米、特別本醸造、秋上がりは燗もつけましたが、燗した純米酒にカニ餡をちょっと入れると風味がよくなりおいしい、という方もおられました。

〆ごはんはウニクリームチーズリゾット!これはおつまみにもなるのでは?と考えました。

申し訳ないのですが、私の調理ミスで雲丹の風味が・・・なくなってましたね。ごめんなさい。リゾットとしては美味しかったのですが・・・

パルメザンチーズのコクが秋上がりやひやおろしと合ったようです。

最後のデザートは、本牧ラ・ネージュのリンゴタルト!

この美しいピンク色はリンゴの皮の色なんです。ジャムかと思うほど柔らかく煮えたリンゴの甘みと酸味、タルト生地とナッツの香ばしさ、クリームの絶妙な甘さ加減がさすがです。

これ、S.tokyoに合うんじゃないかなーと思っていたんですが、みなさんもうマッチングどころでなく酔い気分でしたね。

「幻の酵母」を使ったS.tokyo物語や仕込みにまつわるマニアックな話など、11代目のお話も興味深く(新婚話もねw)、いつもより時間を越して盛り上がりました。

今までは「松みどりってこういうお酒なんだよね」とひとくくりで表現しがちでしたが、今回飲み比べてみて「え、こんなお酒も造ってるの?これも味違うし!」とバリエーションが増し、とても面白いお酒になったなと感じました。

新しい試みにチャレンジする探究心に満ちた11代目、これからもどんどんやってくれそうです。

なにより嬉しかったのは、初松みどりのお客様が「これからは見かけたらぜったい買うから!」と熱烈なファンになってくださったことでした。これはもう、蔵元を招く会冥利につきるというものです。

そして「松みどり、フレンチでもいけるじゃん?」という私の思惑が当たりましたので、ぜひ新たなフィールドに乗り出して行ってください。

◎中沢酒造株式会社

 神奈川県 足柄上郡松田町松田惣領1875 TEL:0465-82-0024

 蔵見学も受け付けています。詳しくはホームページにて。

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